Spectralはオーディオメーカーであり、Reference Recordingsはレコードレーベルですが、共通点があります。それは、
「キース・O・ジョンソン博士」なる人物が重要な役割を果たしてきた
ということです。細かいことを列挙するとキリがないので、筆者なりにまとめてみると、この人、音の品質に対するこだわりが尋常ではないです。1つだけ例を挙げると、この人とその仲間が考案した技術にHDCDなるものがあり(Wikipediaの表現が分かりやすいので拝借すると)これは「20 – 24bit音源を自然な音質で、なおかつ聴感上のノイズを低下させつつ音量感を伴う音で16bit化し聴取するしくみ」のこと。凡人は、仮に良い音を求めていたとしても、そんな仕組みを考えつかないし、考えても実装しないし、いわんや規格化して普及させようなどとはしないでしょう。そういう研究開発系の逸話がたくさんある人です。
テクニカルな話については筆者も分からないことだらけ(VDTとかFPGとか)なのですが、ことオーディオファイル向けのソフトとハードに限ったとしても、ジョンソン博士の影響範囲は恐ろしく広いようです。全容が見えていない(可能性がある)ので、迂闊な口は利けないのですが、少なくとも博士の
Director of Engineering at Spectral Audio
Technical Director, Recording and Mastering Engineer of Reference Recordings
としてのご活躍は、筆者のオーディオライフに多大な影響を与えています。Spectralのアンプは常用していますし、Reference Recordingsの音源の幾つかは筆者にとってのリファレンス音源です。どのプロダクトも随所から様々な良さが垣間見えるのですが一点、通貫していると感じるのが音のスピード&リズムへのこだわりです。
どのスピーカーも、Spectralのアンプで駆動した場合、音の立ち上がりと立ち下がりがものすごく速い。Avalon、Wilson、Magicoなどで体験済み。
Reference Recordingsの音源、たとえば"Tchaikovsky: Mazeppa, opera: Hopak"などは、スピーカーをぶん回す。ミネソタ管やダラスウィンズの音源に特に多い。
他にも、文章化したい話はあるのですが、本サイトではSpectralとReference Recordingsのいずれについても記事を書いているため、ひとまずそれらの繋がりについて説明してみました。厳密なところは、詳しい人が書いた記事にお任せします: