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豊穣な熱気や生気が魅力的な1台。Musical Fidelityは、M1が特にこの路線で著名ですが、そのイズムを引き継ぎつつ性能を高めたのがM6iという印象です。
熱気は、中音表現において際立ちます。真空管アンプを彷彿させる出音ですが、駆動力があり迫力を伴う点がM6iの特徴です。
拙宅にいくつかある暖色系のプリメインの中では、色艶が控えめで男性的な出音です。なお、薄い音ということは全くなく、むしろ濃い部類です。
低音は引き締まっていて筋肉質。スピーカーを駆動している感覚を楽しめるあたりも、男性的な印象に拍車をかけているやもしれません。
レビューにあたり、同価格帯のプリメインアンプ幾つかと聴き比べました(詳細は後述)。なお、M6iの場合、Musical Fidelityということもあり、M1も比較対象としています。
アクセ類で、M6iをM1のような出音に寄せることは可能です。筆者はM6iにSAECのケーブル類を試しましたが、暖色のレベルはM1に見劣りしません。
なお「何が欠けているのか」をチェックするにあたっては、上のクラスかつオールラウンダーであるAUDIA FLS9を用いています。
個人的に、M6iとFLS9の一番の差は空間表現の精緻さや音の分離にあると感じました。FLS9は、広大な音場に緻密に音像を配置します。比べると、M6iは大雑把です。
H80Sは寒色系の出音で、M6iは暖色系の出音です。これがゆえに得意とする音源も異なっています。
量感のある低音を駆動する感じは、両者に共通します。強いて言えば、H80Sの方が躍動的で、M6iの方が筋肉質で力感が豊かです。
M6iもIN200も暖色系の出音のアンプです。色気はIN200の方がややあります。
M6iが音像表現を重視し、迫力を高めた出音なのに対し、IN200は音場表現を重視し、聴き手は音を俯瞰できます。
I22は寒色系の出音で、M6iは暖色系の出音です。
両者の共通点は駆動力の高さ。I22はクラスDらしい、ハイパワーだがあっさりした出音です。対するM6iは、熱気や生気と駆動力を両立した出音です。。
M6iもSpiritも暖色系の出音です。Spiritの方が色艶に富み、女性的な出音だと感じます。
低音はM6iの方がソリッドです。スピーカーをグイグイと駆動している感が出ます。比較の上では、Spiritの方がニュートラルだとも言えます。
M6iもK3も暖色系の出音ですが、M6iは男性的で、K3は女性的な出音だと感じます。
M6iの、中音域の色艶を抑えた感じのほか、低音域がタイトで筋肉質なことも無関係ではないと思われます。
M6iは暖色寄りで、8300Aはニュートラルな出音です。比較の上では8300Aの方が寒色寄りと言えます。
物量投入型かつ迫力と熱気にパラメーターを全振りしたM6iと、小型ながら巧みにバランスを取って出音の質を担保する8300Aの対比は興味深いです。
M6iもA-1も暖色系の出音のアンプです。
A-1の方が主に高音域についてあっさりしています。よく言えばフレッシュです。対するM6iは全帯域が濃厚で生気や生命感に満ちます。