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今回ラインナップしたプリメインアンプの中でも、とりわけ精緻な表現が魅力的な逸品です。「音楽」ではなく「音」を突き詰めるスタンスについては、オーディオ全般について賛否が分かれるところだと認識していますが、このI22は「音」の精度やスピード&リズムを突き詰めたアンプだと思います。
再現される音の周波数レンジはかなり広くフラットで、低音域の中でもとりわけ低い音が明瞭な点は、この価格帯では破格です。まさにHi-Fiを地で行くアンプだと言えるでしょう。
レビューにあたり、同価格帯のプリメインアンプ幾つかと聴き比べました(詳細は後述)。なお「何が欠けているのか」をチェックするにあたっては、上のクラスかつオールラウンダーであるAUDIA FLS9を用いています。
FLS9とI22の出音の最大の違いは、音に熱気や生気と言うべき要素が宿るかどうかです。性能的には、同価格帯でも文句をつけづらい部類のI22の弱点を、性能と音楽性の双方をより高いレベルで両立したFLS9が明確にした形になりました。
H80SもI22も、寒色系の出音で、高音の精緻さは折り紙つきだと言えるでしょう。
I22の出音は、精密機械を彷彿させるもので、遊びを一種のカリスマ性に昇華させるH80SもといHEGELの音とは趣きを異にするものだと感じます。
I22は寒色系の出音で、不要な贅肉は極力排する音作りです。オーディオ用語でいうなら「音楽性」については担保する気がないように思えます。
IN200は、暖色系の出音で、I22との比較の上では、音にゆとりや余裕みたいなものを感じます。これを無駄と解釈するかは人によるでしょう。
両者の共通点は、空間表現が秀逸であることです。今回のラインナップの中でも広い音場に、十分な分離を担保して音像を散りばめるため、見晴らしが良いです。
I22は寒色系の出音で、M6iは暖色系の出音です。
両者の共通点は駆動力の高さ。I22はクラスDらしい、ハイパワーだがあっさりした出音です。対するM6iは、熱気や生気と駆動力を両立した出音です。
対照的な出音の両者。寒色系vs暖色系、精密vsおおらか、化粧っ気のなさvs色っぽさ、などなど。
いかんせん出音が全く異なるため、深く掘り下げるよりも端的に違いを強調するに留めます。
I22は寒色系の出音で、Hi-Fi調を地で行きます。精密機械を連想させるような、細部まで精緻な描写が印象的です。
K3は暖色系の出音で、包容力があります。I22とは対照的な出音で、また、優劣は音源のジャンルに依るでしょう。
PRIMARE I22は寒色系の出音で、8300Aはニュートラル。
どちらも生真面目な出音が特徴的なアンプですが、I22が超ストイックで精緻な「音」を紡ぐのに対して、8300Aは「音楽」を紡ぐことを念頭においた音作りです。
静のI22と動のA-1とでもいうべき、対照的な出音が印象的な両者です。I22は寒色系の出音で、Soulnoteは暖色的な出音です。
I22の出音は高精度なクロックが時を刻むようなイメージなのに対し、A-1の出音はアンプがあらん限りのエネルギーをぶちまけるようなイメージです。