なんでプリメインアンプをかき集めたの?かき集めて結局どうしたの?について、ゆるりと綴りたいと思います。脈絡のない文章ですが、何卒ご容赦ください。
Spectralのセパレートアンプを中核にメインシステムを構築して久しい状況で、表現の幅を広げるためにサブ機を物色していました。
Spectralのおかげで、メインシステムについては、今の部屋環境では不満がないレベルまで突き詰めることができたのです。
補足として、以前にはPASSのセパレートをサブ機としており、さらにその前にはSpectralのDMA-180とDMC-20をサブ機とし、Spectralのみでハイローミックスを組んでいました。
結果、なまじメインとサブの傾向が似通った結果、サブの稼働率が極端に低く、もったいないところがあったので、今回は「19インチのラック1枠を占有する廉価なプリメイン1台で、適度に表現の幅を広げつつシステムの可用性も高めること」を目標としました。
で、何がベストなのかはひとまず数を所有し、きちんと聴き比べないと分からない気がしたので、目についたプリメインを引っ張ってA/B比較しました。厳密には、Soulutionの330あたりがベストチョイスかと察しつつ、いきなりそこに突撃するのも面白くないので、色々買って遊んでいた(≒遠回りしていた)次第です。ちなみに、物書きの欲は、それらのA/B比較を続けるうちに出てきたものです。余談ですが、当方がよそ見をしている間に、Soulution 330はディスコンになってしまいました。自業自得...(>_<;
ところで、SpectralのセパレートでドライブするMagico Q5は、今の部屋環境で当方が望む要素を、おおむね満たしてくれています。新たに導入するプリメインアンプは、十全でなくてもよいから、これらを尊重してくれるアンプであってほしい、という願いはありました。
もちろん1台のプリメインでそれら全てを満たすのは困難です。つまり何を捨てるのかという減点方式でプリメインをみていました。もっとも、各社のプリメインを並べて&聴き比べて侃侃諤諤というのは、マイクロなマラソン試聴会みたいで趣味としては面白いし、だからこそのつまみ食いなわけですが、たまには「このプリメインはこういうところがいいね」と褒める機会も欲しかったりしました。
そんな中で登場したのがmarantz MODEL M1(とDenon Home Amp)でした。時期的には、Home Ampの発売直後に2台まとめて導入したと記憶しています。
特にM1についてはすでに、アマチュアからすると「褒めすぎだろう」と感じるくらいに多くの業界関係者が褒めちぎっており、ひねくれ者の当方としては Magico Q5 あたりで迎え撃って「まぁこんなもんだぞ」とぶった斬って放り出してやろうとしたら、想像していた以上にまともに鳴らしてしまったので、プリメイン選びの参考機として手元に置くに至りました。M1はスピーカーをきちんと駆動すること以外のことは面白いくらいにサボるので、M1と聴き比べることでそれぞれのプリメインの持ち味が浮き彫りになったこともポイントです。つまり加点方式です。
ざっくりですが片や10万円、片やトータル1,000万円。両者の出音の差は「スピーカーから聴けなくはない水準の音が出る」ところから「スピーカーからの出音に不満を感じなくなる」までの旅路を思い起こさせます。
2つのものさしを得たことで、それぞれのプリメインアンプに対して抱いていたポジティブなイメージとネガティブなイメージのそれぞれが、自分なりに明確になったわけです。
そんな経緯で、プリメインアンプを物色してゆく中で「おやっ?」と思わせてくれたのがHEGELのH360でした。
このH360は、音作りのベクトルはSpectralと真逆で、もっと言えば、当方が苦手とする寒色系の音であるにも関わらず、長時間のリスニングが苦にならない、不思議な魅力がありました。「これはちょっと掘り下げてみたい」と思い、プリメイン・セパレートを問わず、試し聴きをして歩いていたところ、H2というパワーアンプが当方の好みに合致しました。ただ、ペアにあたるP2プリアンプを入手できる目処が立たなかったため二の足を踏んでいたところ、某店にH2の上位機種にあたるH4とP2がセットで入荷したため聴いてみたところ、好みにドンピシャリ!しかも破格の条件だったので、めでたくSpectral主体のシステムに幅を持たせる2本目の矢として、導入するに至りました。
余談ながら、HEGELには、H80Sというエントリーモデルがあり(あった)その税込価格が10万円台とM1にほど近いと同時に、全く別ベクトルのコスパモンスターだったので、そちらも導入してみました。想像はしていましたが、H80SとM1の比較は、興味深いものになりました。
え、19インチラック1枠?そういう縛りもありましたね...(笑
でも、ここまで音に幅を持たせられるなら、メインとかサブとかいう括りにとらわれず、気分によってローテーションさせる使い方をした方が、オーディオライフが豊かになりそうな気がしたのです(言い訳こそ趣味の醍醐味...?
「メインとサブという考え方を改め、全く別ベクトルだが十分な実力を備えた複数のシステムでローテーションを組む。したがって、プリメインの導入についてはいったんPendingにする。」
メインとサブという考え方を改める、という点がポイントでした。Spectral DMA-400RSの出音の凄まじさと、DMA-400RSが国内に1セットしかないという特殊性によって「部分的であれこの代替になるアンプを見つけたい」という気持ちが強くなりすぎていたようです。まぁ、プリメインに関して言えば「お金と時間に見合った成果あったの?」と聞かれると言葉に詰まるものの、自分の中では、納得感はあります。プリメインアンプの聴き比べを通じて、これまで縁遠かった複数のメーカーの音作りについて理解を深めることができましたし、所有した歴があるメーカーでも、開発時期やエントリーか否か等からくる新たな発見がありました。そしてその多くは単品で強いアンプを所有していても、気付きづらいことでした。HEGELうんぬんの話に繋がる経験は、その最たる例と言えるでしょう。
余談ながら、HEGELはH4の時代のものと現行品とではだいぶ音が違っていて、HEGELサウンドの中でも幅を持たせられるということで、これからは主にH30AとP30Aを狙うことになりそうです。
ところで、プリメインのつまみ食いを通じて興味をもったメーカーがもう1つありました。それはYBAです。HEGELと比べるとSpectralに近い音作りなので、幅を持たせるという観点から今回はHEGELを優先しましたが、今回のプリメインのラインナップの中でもYBA Passion IA350は、頭ひとつ抜けた実力を有していたように思います。これの更に上のSignatureとりわけモノラルパワーとなると、どれほどの実力なのか、どのようにMagico Q5をぶん回すのか、興味が尽きません。こちらも、ご縁があればぜひ突撃したいところです。
~50万円のラインについて掘り下げてみたくなり、収集中←今ここ