プリメインアンプ以外の機器類の情報はこちら。
音の生気や生命感を十分すぎるほどに担保しつつ、しかも、帯域を問わず音が俊敏で、細部の描写も丁寧という怪物アンプ。YBAの音を説明する時に、FM AcousticsやSpectralのアンプを引き合いに出す人がいるが、頷けます。これらがセパレートのみ販売している現状を鑑みれば、YBAはプリメイン屋としてはこの方向性の第一人者かもしれません。※YBAがプリメインしか製造していないわけではないです。
個人的な印象ですが、SpectralよりもFM Acousticsに近い出音のアンプという印象です。もっとも、FMのセパレートとはスケールが違いすぎるので、参考程度ではあります。なお、価格帯も全く異なるので、喰い合うこともないでしょう。この上のSignatureのモノラルとかになると、セパレート一式で1,000万を超えてくるので、どうだろう?という興味は湧きますが(^^;)
話を戻すと、音の立ち上がりと特に立ち下がりが抜群に速いです。Spectralのような、圧倒的な性能を背景とした力技というよりは、デザインの段階で俊敏さを尊び、それを徹底したことが伝わるかのような出音です。音場と音像については、よく言えばバランスがよく、悪く言えば中庸です。別の言い方をすると、Spectralのような広大な音場の展開や、FMのように迫真の音像表現はしないです。
音像の描写は丁寧です。今回のラインナップでは、この観点で別格のPASSのINT-25を除き、描写の丁寧さでPassion IA350を突き放せるアンプはありませんでしたし、この価格のプリメインとしては、不満が出るレベルの雑な描写をされた経験はゼロです。YBAとしては、S/Nに不満が出るケースを想定したのか、後継機()ではデジタル段を分離するための専用のスイッチが付いています。このレベルのプリメインのS/Nを更に良くするなんて、YBAはこの価格帯の生態系を破壊したいのか?と勘繰ります(褒)が、ユーザー的には嬉しい限りでしょう。
→後に、後継機にあたるPassion IA350Aも導入しましたが、圧巻の音質でした。
レビューにあたり、同価格帯のプリメインアンプ幾つかと聴き比べました。
しかし、当方がとりわけ重視しているのは marantz MODEL M1 および Spectralのセパレート(with MIT cables) との聴き比べです。
当方の中では:
・MODEL M1は、定価ベースで桁2つ違うスピーカーすら駆動し得るが、その他のこと、たとえば空間に広がりをもたせたり、音像に生気をもたせたりすることはとことんサボるアンプ。アンプ選びにおけるエントリーモデル。
・Spectralのセパレート(with MIT cables)は、駆動力はもちろん、音像の生気/熱気、音のスピード/リズム、そこに空間の広さと密度スケールが加わることによる出音のスケール感などなど、当方が重視する要素を全て満たし(現環境でMagico Q5を駆動する限りは)アンプ選びのひとつの終着点。
です。したがって両者との聴き比べは YBA Passion IA350 の強み/弱みを浮き彫りにすると認識しています。
以前に書いた両者の比較記事へのリンクはこちら。
空間の広がりと密度においてSpectralのセパレートに分があります。これによりスケール感が変わってきます。Passion IA350の出音は、Spectralと比べてコンパクトです。
Passion IA350は、当方がYBAに対して持っていたブランドイメージである俊敏さと生命感を、見事に表現してくれました。現時点での好感度は、ものすごく高いです。と同時に、当方はこれまで、YBAとあまり関わらずにオーディオをやってきたこともあり、むしろブランドイメージを醸成している段階だという自覚もあります。ただ、こうなると上級機が気になるのも事実です。Spectralのセパレートとはまた別の頂があるのやもしれません。
はじめてYBAのアンプを買う人。
ウォームで生命感に溢れた音がお好きな人。
音の立ち上がりと立ち下がりが俊敏だと嬉しい方。
ご自身とYBAサウンドとの相性を見極めたい方。
お値段をx軸とした片対数グラフを描きたかっただけです。ジョークグッズの類なので、不確かですがご容赦を。